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KO.TO.TA.MA.

 

2008年、パリギメ美術館で最初に発表したこのプロジェクトは、日本の「言霊」をテーマにしてはじまった。

 

古代において文字は単なる記号ではなく、選ばれた人だけがこれを使うことを許された秘儀だった。“書く"という行為は大切なメッセージを発信する、特別なふるまいだった。文字とは光であり、生きるためのエネルギーであり、魂を癒す祈りだった。

 

神秘的なそのカは「言霊」といわれている。

 

古の人々は哲学や秘儀を、文字、数値、楽、舞、かたちなどの中に象徴として隠し、権力の干渉からこれを守るべく、美しく、そして巧妙に塗り込めてきた。日本の伝統の源泉としての古代より二千年の時を経て今、私はこの「言霊」の力を宇宙に解き放つ。

 

KO.TO.TA.MAの波動を感じて頂きたいのである。

神代文字

 

日本の文字の起源は謎に包まれている。

 

中国、朝鮮半島から伝えられた「漢字」日本で生まれた「カタカナ」や「ひらがな」。それ以前に存在していたとされる古代の文字は「神代文字」と総称されている。

 

日文、阿比留文字、秀真文字、モリツネ文字、忌部文字、中臣文字、豊国文字、カタカムナ、アイヌ文字、、、などが各地に伝えられているが、多くは歴史上抹殺され、また、いずれもナショナリズムに準じたものとされ、アカデミズムの世界では偽造と一蹴されている。しかし、神社の神札や神璽。碑文や洞窟、巨石などに刻まれたものや文献も含めてその痕跡は全国に残されたその文字は語りかける。

 

幼い頃から日本の古代に興味のあった私は、口伝や秘犠などを学んだが、公の機関のことも知りたく、神職の資格も取得し、更に深く入りこんでいった。

古代の文字は単なる記号ではなく、神からの、そして神へのメッセージであり、神の存在を知覚する媒体であった。

 

やまとことばを学ぶ中で「アヒルクサ文字」に邂逅したことは衝撃的な出来事だった。出会った瞬間、初めて「書きたい」と思い、心が震えた。いてもたってもいられず筆をとると、自分が消え自我が消えまさしく無になった。それは、書かせていただいているという心持ちであり、まさに天と地を繋ぐのが筆であり、書であり、人だと感得した瞬間だった。

祝詞

 

日本では「はらい」という概念は、古代より祈りの世界の中心に位置します。

どんな時代においても大人になることと引き替えに、人間は自らの心の声を魂の奥深くに封じ込めてしまいます。

社会通念や不完全な知識、そうした世俗の塵を祓い、魂が自由に感応できる「KO.TO.TA.MA.」の世界に再び戻るための魂の浄化空間。

古代文字の中でもっとも有機的な形状をもつ「あひる草文字」、別名は「龍体文字」。

そのかたちそのものがエネルギー体であり、自然界に連なる波動を持ちます。

これを読もうとしないでください。

意味を考えることなく、その力をひたすら感じてほしいのです。

「KO.TO.TA.MA.」の発する音に耳を傾けてみてください。

 

文字は光。

今、世界を包み込む新たな祝詞を書くべき時が来ようとしています。

KO.TO.TA.MAの力をもって新しい世界への発動が始まります。

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